そろそろ夜陰につつまれるころ、E川の土手をウオーキングしていました。ここはややきつい勾配があり、そこをのぼりはじめると前方にヒトの気配がありましたが、のぼりつめたところの街灯にじゃまをされてうまくみえません。
そこで目を細めて凝視すれば小股で足音をたてずあるいてき、まるで着物を着たヒトのようでした。でも足はかくにんできても上半身がみえません。あまりジロジロみるのは気が引けるので視界に入るていどにうかがい、いよいよすれ違うとやはり足しかなく、それでもヒトと同じようにフッと風だけはかんじました。
殊に害があるわけではなく振り返ればそのまま闇へきえていきました。
一
千葉県にあるS公園の探索後、自宅の廊下を歩く音や深夜になると二階からヒトの声がきこえてくるようになりました。前者は家鳴りともとれますが一カ所ではなく、ヒトの足取りに酷似してい、まるで誰かがあるいているようです。
後者は日付が変わるころに多く、年齢をかさねた男性のボソボソした声です。でも目下、二階の部屋は空室で、況や不動産屋などの関係者でも時間帯をかんがえれば、先ずありません。
二
公園で羽を伸ばすことを目的として本を片手にしばしばでかけることがあります。腰を落ち着けたとたん、待っていたかのようにスズメなどの鳥類があらわれ、しきりにこちらをうかがいます。それに散歩中の犬なども酷く興味津津のようで円らな瞳でみつめられることもあります。殊にスズメはあたかも道案内を買って出ているようにみ、しばらく一緒にあるくことすらめずらしくありません。
本来動物好きでもいままでこれだけ好意的だったことはなく、至って最近のことです。むしろ、引きつけられるようにこちらへむかってきます。
三
弊ブログは過去に掲示板を設置していました。書きこみがあると携帯電話のほうへ転送される仕組みで、当日もそうでその日のうちに返事をしたためました。それから数日後、掲示板をみると何故か最新のものだけがありません。よしんばサービスの不具合でも、書きこんでくれたヒトにとって不思議体験がたえない性質のことから、どうも怪訝です。
漸く春めいてきたころのはなしです。ウオーキング中、茫洋な丘にさしかかると道路をはさんで対面にある施設から、丘にむかってヒトがよこぎりました。街灯にてらされたそのヒトは黒いジャージをきてい、団塊世代ほどの男性でした。
前方の彼を目でおうと丘につくと同時に忽然ときえてしまいました。「あれ、どこいったんだ」怪訝にあるけば、また彼が同じ手順であらわれます。よしんばそれが彼の目的だとしても至って見渡しのいい丘であり、膝までありそうな芝生をあるく音すらありませんでした。
夕方とは云え、アスファルトからの厭な匂いがたちこめるほど暑い日でした。当日、バイクを運転してい、順調にはしっていたものの前方には大蛇のような大渋滞がまちかまえていました。これには閉口しましたが、この道をとおらなければ家に帰ることができません。仕方なくつきあうことにしました。
ノロノロと徐行をくりかえすうちに葬儀屋のまえにとまりました。猛暑や渋滞などとかさなるだけに複雑のきもちでなんとなく中をのぞくと、ボンヤリした照明にてらされた遺影がありました。相貌はわからなくても高齢の女性にみ、彼女と目があいました。その瞬間、悪寒が背中をはしりました。不謹慎でもあえて云えば、まるで生きているヒトの目玉に酷似した生々しさでみつめられたからです。
前方の大蛇はいっこうに解消されず視線はつよまるばかりで、「いいから、こっちをみろ」激しくぶつけてきます。どうしてもいたたまれなくなったあたしは、バイクのスイッチをきって横道へ遁走するように押してはしりました。すると功を奏したのか面妖な現象がすっかりなくなりました。
一
墓の横を通って買い物へ出かけたときのはなしです。もう二一時をまわっていましたが、物恐ろしいながら近道しようと墓地の横をとおることにしました。夜陰にうかぶ白い外壁伝いにあるいていたところ、鉄製の茶色いドアがありました。「あれ、こんなところにドアなんであったけ」立ちどまってかんがえていると、「ドンッドンッ」墓地のほうからドアを叩くおとがしました。さすがに肝をつぶしたあたしはそれ以来、そこをとおっていません。
二
酷く暑い日のことです。昼間このちかくをとおると外壁のやや上あたりに野球のボールほどの球体で、たんぽぽのような風情でした。当日は風などないにもかかわらず、まるで自由にとんでいるかのようでした。
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